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ダイニングキッチンに居た私が烏の傍に行くと、烏の仕事部屋から先に飛び出して行ったのは、三匹の龍。
そして、煌牙の後ろから手を繋いで歩いて行くのは、羽生と杏珠。
その姿が微笑ましいと思えた。
「昼飯も晩飯も、あっちだ」
烏の言葉に『分かった』と答えた私の腰に、烏が手を添える。
その仕種が〈らしくない〉と思い『クスッ』と笑う。
パッチン!
その音と共に、久しぶりに額に痛みを感じた。
そうだった。
烏はデコピンが得意だった。
額を摩りながら、烏を見ると、口角を上げている。
『根性が足りねぇ』と言った烏は〈烏らしい〉と思った。
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