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貴島百合の顔を見ると、とても優しい顔をしていた。 その顔を見て、私は貴島百合の今の気持ちが知りたくなった。 「こんな事を聞いたら、失礼なのかも知れない。 だけど、私は知りたい。 我が子を『若』としか、呼ばないお母さんの気持ちを」 煌牙は、すぐには若頭にはならない。 高校卒業したら、若頭の下の地位の若頭代行になる。 でも、いつかは若頭になる煌牙を、私は『若』とは呼べない。 いや、呼べないと言うより、呼びたくない。 どんな立場になっても我が子には違いないから、貴島百合の気持ちが知りたかった。
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