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「女が、表に出る事は、貴島組では良しとしない。
何かを決めるのは、組長である忍。
組の事に対して、女は口出ししてはならない。
それは先代から教えてもらった事なの」
そう話した貴島百合から、少し淋しさを感じる。
この人は、どれだけの事を堪え忍び生きてきたのだろう。
「でも、玲ちゃんは別よ。
私は、あの子を育ててないけど、子を想う母の気持ちは痛い程分かるわ。
それに、クッキーも出来上がるから、子供達を呼んできてくれない」
その言葉に『はい』と答えた私の耳に『捕まえろ!』と言う声が外から聞こえ、貴島百合と顔を合わせた。
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