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大和と涼は居るけど、組員達とはそんなに深い関わりがある訳ではない。 そう思う私は、『別件って何?』と烏に問いかけた。 『てめぇには、関係ねぇ』と答えた烏は、私に背を向け、屋敷の方へと足を進める。 この時、初めて烏に対して不信感が湧いた。 確かに、組の仕事に関しては、私には関係ない。 だけど、煌牙は、まだ高校生。 貴島組を継ぐと煌牙は言ったけど、正式に極道になった訳じゃない。 それなのに、組の仕事をさせているのなら、私は納得出来ない。 それに、羽生と杏珠姿が見つからないのに、それを探そうとしない烏の気持ちが分からない。 羽生と杏珠女の子だ。 そのまま探さないなんて出来ない。 「玲ちゃん、羽生と杏珠は必ず探すから、煌弥と部屋で待っていなよ」 大和が親切に言ってくれるのは分かる。 だけど、気づいたら、身体が動いていた。
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