5人が本棚に入れています
本棚に追加
/101ページ
「いいか? オレとお前は男だ。カミシロ山は《男子禁制》の私有地だ。行ったら呪われる。お前の知り合いの親戚のお兄さんがカミシロ山へ足を踏み入れて精神病棟に入院してるんだろ?」
『……うん』
数日前に教室で佐々木本人が言っていたことだ。
呪われたかは別として被害に遭っている男性がいるのは事実なのだ。
「なぁ、佐々木。お前、アキを見掛けたこと誰かに言ったか?」
『……まだ誰にも言ってない。ナツに初めて言った』
「なんで?」
『アキちゃんを見掛けたのに気付いたのってついさっきなんだよ。母さんから「典子ちゃんが帰って来てないみたいなんだけど、静流なにか知らない?」って聞かれて思い出したんだ』
「そのままおばさんに言えば良かっただろ」
『だって……アキちゃんも帰って来てないこと知ったのちょっと前だし、関係ないと思ったんだ。母さんに言って、もし本当にそれでアキちゃんがカミシロ山へ行ってたら、「なんで止めなかったの!」ってめっちゃ怒られそうで……』
「そっか。なら、アキを見たことは誰にも言うな」
『え?』
最初のコメントを投稿しよう!