第23話 ナツの決意

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 たまに体育や音楽などで合同授業があるが、1組と3組が一緒になることは殆どない。 「マジで何やってんだよ……」  アキが帰って来ない。  それがナツを不安にさせた。 『万夏、秋乃。おやつ買って来るから良い子で待っててね』  6年前、そう言って家を出た来々美。   『行ってらっしゃい』  ナツとアキは声だけ掛けて、見送りはしなかった。  来々美の顔は見なかった。  ナツの視界の端に映ったのは制服を来た来々美の後ろ姿。  それが最後に見た来々美の姿だった。  来々美は家へ帰って来なかった。 「姉ちゃん……」  アキのことを考えながら、ナツは来々美のことを思い出す。  自分の兄弟が行方不明になる経験をする人間はほんの僅かだろう。  成人済みではなく、未成年の場合はもっと少ないだろう。  6年前、ナツとアキは小学2年生だった。  行方不明になった来々美は中学二年生だった。  今のナツとアキは当時の来々美と同じ年になった。 「やめろよ……やめてくれ……」  6年経っても、姉の来々美はまだ帰って来ない。  今度は妹のアキが帰って来ない。  ナツの不安は増していく、
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