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皇居東御苑
大雪が降った週末。
その頃は、土曜日は半ドンだった。
仕事を終えて昼食を済ませ、私は
皇居東御苑に行ってみることにした。
そこは、一般に公開されていたし、
きっとまだ雪が残っていると思ったからだ。
その日は晴れていたけれど、思った通り、木々にはまだ雪がたくさん残っていた。
木々に降り積もった雪も、時折枝からハラハラとこぼれ落ちる雪も、陽の光を浴びてキラキラと美しかった。
そこは、東京のど真ん中であるのが嘘のように静寂だった。
もう、こんな光景は2度と見られないかもしれないと思いながら、目に焼き付けるようにゆっくりと庭園を散策した。
今、北海道に住んでいて、雪は当たり前の生活になった。
雪かきが大仕事で“キレイ”などと言っている暇はない。
それでも、春になり道の雪が溶けても遠くの山々の雪を被った姿は美しいと思わず写真を撮ってしまうことがある。
北国では、冬は雪との戦いの日々だ。温かくて雪が少ないのは、確かに楽ではある。
けれど、雪がないと淋しく感じるのは何故だろう。
ほんとうの雪の恐ろしさを知らないからなのかもしれないけれど、やはり雪は真っ白で美しいからなのだろうと思う。
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