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三年前、この国は革命を迎えた。
国を二分する争いは王女率いる革命軍が勝利し、王族のほとんどは処刑台の露と消え、私腹を肥やした貴族もほうぼうに逃げ去った。人々は彼らの名残が残るものを嫌って次々と取り壊したが、唯一、美しき花々の咲き乱れるビルツ邸の裏庭だけは残された。
霜で覆われた東屋や格子棚。土がむき出しのままの花原。寒風に揺れる高木や低木。そして、芽吹きのときを待つ野生薔薇。年に一度、国中から選ばれた魔女たちによって守られてきた裏庭は、春待つ今だけは記憶喪失の少女と、過去に囚われた青年のもの。
これは、そんな二人が魔女たちと過ごす四季の記録。
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