エピローグ

1/1
2人が本棚に入れています
本棚に追加
/17ページ

エピローグ

 結婚式で幸奈が白無垢を着て現われた。  白磁の肌に黒い髪。美しい切れ長の目に鮮やかな赤い唇。  俺は、不意に雪女を思い起こし 「ひぃ!」  と一声叫んだ。  両隣から、黒留袖の母と祖母に容赦のない肘鉄を食らわされ、現実に戻って来た。  改めて幸奈を見つめる。 (そうだよ。  有村家の嫁は、明るく豪快な人がいい)  幸奈は、正にそう。  紋付き袴の俺に熱く見つめられた幸奈の白磁の頬は赤く染まった。それは全然雪女っぽくなかった。 終。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!