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エピローグ
結婚式で幸奈が白無垢を着て現われた。
白磁の肌に黒い髪。美しい切れ長の目に鮮やかな赤い唇。
俺は、不意に雪女を思い起こし
「ひぃ!」
と一声叫んだ。
両隣から、黒留袖の母と祖母に容赦のない肘鉄を食らわされ、現実に戻って来た。
改めて幸奈を見つめる。
(そうだよ。
有村家の嫁は、明るく豪快な人がいい)
幸奈は、正にそう。
紋付き袴の俺に熱く見つめられた幸奈の白磁の頬は赤く染まった。それは全然雪女っぽくなかった。
終。
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