トイレ漫談

俺、トイレに入る

　俺はトイレに入り、便器に座った。

「よお、どうした？」トイレはいった。

「ちょっと腹が痛くてね」俺はいった。

「ゆるいのかい？」

「どうやらね」

「ここのところ、急に気温が下がったから、きっと腹が冷えたんだよ。気を付けないとな」

「ああ、そうだな。ありがとう」

「あ、ちょっと待て。もう出してしまったかい？」

「もう出してしまったけど、なぜだい？」

「紙がないぜ」

「そのくらいのことは、別にかまわないさ」

「はは、君のそういうところ、好きだぜ。それで、どうするつもりだい？」

「どうするつもりって？」

「ふかないで出るつもりかい？」

「まさか。まあ、どうするかゆっくり考えるさ。だって、トイレってある意味そういう場所だろう？」

「それもそうだな。まあ、ゆっくりしていきなよ」