トイレ漫談

洗濯って大変

「なあ、トイレ」俺はいった。

「なんだい？」トイレはいった。

「洗濯って大変だよな」

「うむ。毎日洗濯機を回して、干して、畳んで、その繰り返し。洗濯は大変だよ」

「でもよく考えてみると、干すと畳むは、洗濯とはいえないと思うんだよ」

「なぜそう思うんだい？」

「だって、干すと畳むは、何も洗ってないだろう」

「それもそうだな。それじゃあ、干すと畳むは、なんだと思うね」

「洗濯後作業さ」

「なるほど、洗濯機を回す、が洗濯で、干すと畳むは、洗濯後の作業ということか」

「洗濯、つまり洗濯機を回すことは、そんなに大変なことではないよね」俺はいった。
「汚れた衣服と洗剤を突っ込んで、ボタン押せばいいわけだから。つまり大変なのは、洗濯ではなくて、洗濯後作業なんだよ。洗濯って大変、は、厳密には、洗濯後作業の干すと畳むって大変、となるわけだ」

「いや待て」トイレはいった。
「干す、についても、乾燥機を使えば、洗濯機同様、そんなに大変なことではないよ」

「確かにそうだな」俺はいった。
「ということは、洗濯って大変、は、厳密には、洗濯後作業の干すと畳むのうち、畳むって大変、となるわけだ」

「いや待て」トイレはいった。
「それは乾燥機か、乾燥機能付きの洗濯機を持っていればの話だろう」

「確かにそうだな」俺はいった。
「ということは、洗濯って大変、は、厳密には、乾燥機か、乾燥機能付きの洗濯機を持っていない場合は、洗濯後作業の干すと畳むって大変、乾燥機か、乾燥機能付きの洗濯機を持っている場合は、洗濯後作業の干すと畳むのうち、畳むって大変、となるわけだ」

「いや待て」トイレはいった。
「畳む、についても、将来、折畳機が発明されたら、洗濯機と乾燥機同様、そんなに大変なことではないよ」

「確かにそうだな」俺はいった。
「ということは、洗濯って大変、は、厳密には、将来、折畳機が発明されなかった場合、かつ、乾燥機か、乾燥機能付きの洗濯機を持っていない場合は、洗濯後作業の干すと畳むって大変、将来、折畳機が発明されなかった場合、かつ、乾燥機か、乾燥機能付きの洗濯機を持っている場合は、洗濯後作業の干すと畳むのうち、畳むって大変、将来、折畳機が発明された場合、かつ、折畳機を持っていない場合、かつ、乾燥機か、乾燥機能付きの洗濯機を持っていない場合は、洗濯後作業の干すと畳むって大変、将来、折畳機が発明された場合、かつ、折畳機を持っていない場合、かつ、乾燥機か、乾燥機能付きの洗濯機を持っている場合は、洗濯後作業のうち、畳むって大変、将来、折畳機が発明された場合、かつ、折畳機を持っている場合、かつ、乾燥機か、乾燥機能付きの洗濯機を持っている場合は、洗濯は大変じゃない、となるわけだ」

「いや待て」トイレはいった。
「そもそも、洗濯機を持っていない人もいるだろう」

「確かにそうだな」俺はいった。
「ということは、洗濯って大変、は、厳密には、将来、折畳機が発明されなかった場合、かつ、乾燥機か、乾燥機能付きの洗濯機を持っていない場合、かつ洗濯機を持っていない場合は、洗濯と、洗濯後作業の干すと畳むって大変イタッ舌かんだ」

「大丈夫かい？」

「洗濯って大変」