雪猫

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雪猫

 刹那がいなくなってしまった後、私はまずクラスメイトに刹那のことを聞いてみた。だけど皆、そんな人物は知らないと首をひねるばかりだった。  クラスメイトに頼るのを諦めた私は、刹那の最後の言葉を手掛かりに 『雪に触れると猫になってしまう』事象について調べ始めた。  スマホを使って調べた。普段は行かない図書館にも足を運んだ。それでも何も分からなかったから、色々なSNSでアカウントを作って聞き回ってみた。  夢中になっていると時は案外速く流れるもので、通知が来ていないかスマホを確認しては落胆する日々を過ごすうち、いつのまにか春休みに入ってしまっていた。  もう全て忘れて諦めてしまおうかと思ったとき、スマホが鳴った。  こんな内容だった。 『雪猫(ゆきねこ)を知っているんですか』
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