再 会

3/4
前へ
/8ページ
次へ
 幹事が一旦席に着くよう、みんなに声をかけた。そして、当時の担任だった先生を呼び出した。しばらくして先生が登壇。あの頃30代だった先生は、50才くらいになっていた。  元生徒を前に、先生が話す。今は県内有数の進学校で教頭をやっているそうだ。先生も出世したな。  そして1人ずつ、近況を報告。大手企業に勤めている者、3人の子供の母親になった者。12年の年月は人を大きく変えていた。  ひと通りの近況報告が終わり、しばし雑談。  ほっと一息。 「亮太、今もバスケやってるんだろ?」  隣に座っていた和真が声をかけて来た。 「うん、まぁね。でもそろそろ潮時かな?」  高校を卒業して大学に進み、そこでの活躍が認められ、俺は実業団に引き抜かれた。  しかし(よわい)30。  技術はまだ負けないが、体力的にはピークを過ぎた。最近、それを如実に感じていた。
/8ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加