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幹事が一旦席に着くよう、みんなに声をかけた。そして、当時の担任だった先生を呼び出した。しばらくして先生が登壇。あの頃30代だった先生は、50才くらいになっていた。
元生徒を前に、先生が話す。今は県内有数の進学校で教頭をやっているそうだ。先生も出世したな。
そして1人ずつ、近況を報告。大手企業に勤めている者、3人の子供の母親になった者。12年の年月は人を大きく変えていた。
ひと通りの近況報告が終わり、しばし雑談。
ほっと一息。
「亮太、今もバスケやってるんだろ?」
隣に座っていた和真が声をかけて来た。
「うん、まぁね。でもそろそろ潮時かな?」
高校を卒業して大学に進み、そこでの活躍が認められ、俺は実業団に引き抜かれた。
しかし齢30。
技術はまだ負けないが、体力的にはピークを過ぎた。最近、それを如実に感じていた。
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