0.プロローグ

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〜side瀬戸内神龍&空野姫和〜 『力を受け継ぎし者よ。 己の力で運命の相手を突きとめ、その者と相思相愛となるのだ。その時、秘めた力が解放され世界を救わんとする⋯⋯』 我が瀬戸内一族に伝わりし、水神様のお言葉だ。 そして俺は、その伝説の力を受け継ぎし者の一族の一人だ。名は、瀬戸内神龍──。 俺の一族には、厳重な掟が存在する。記されている書物の一部によると、 『1. 瀬戸内一族 の者は産まれた瞬間から必ず許嫁が決まっており、その者以外との婚約は認めない。 2. 一族以外の者には力について秘密にせよ。』 と、古ぼけた和紙に小筆で書かれていた。 これではいずれ、瀬戸内家の誰かが必ず苦しい思いをしてしまう。そんな事を認める訳にはいかない。 俺はこの一族の掟になんか縛られず、この自分の手で愛する人を見つけ選んでみせる。 ──例えどんな困難が待ち望んでいても⋯⋯。 ☆。.:*・゜ 私の名前は、空野姫和。 空野家の一族の一人である私には、代々愛の奇跡を起こす力が存在するらしい。そんな私の母にもその力は宿っていたそうだ。 唯一、私の母が最後の言葉(遺言)として書き残していた事がある。 『姫和、あなたは必ず幸せになりなさい。 でももし運命の相手が、何か力を受け継いでいる人だとすれば、危機的な状況に陥った世界を救う為、きっと力が解放されると思うわ。 ただし、この力の事は皆には絶対秘密だよ⋯⋯。』 という、メッセージだった。 ──この先の未来のことをまだ知る由もない。
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