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0.プロローグ
『力を受け継ぎし者よ、己の力で運命の人を導き出しその者を愛せよ。その時、力が解放され世界を救わんとする…。』
我が瀬戸内一族に伝わりし水神様のお言葉だ。
そして、俺はその伝説の力を受け継ぎし者の一族の1人だ。名は、瀬戸内神龍。
俺の一族には、掟(決まり)が存在する。書物によると、
1. 瀬戸内一族 の者は産まれた瞬間から必ず許嫁が決まっており、その者以外との婚約は認めない。
2. 一族以外の者には力について秘密にせよ。
と記されている。
これじゃ、誰かが必ず苦しい思いをしてしまう。そんな事、認める訳にはいかないんだ。
俺は、この一族の掟になんか縛られず自分の手で愛する人を見つけてみせる。
たとえ、どんな困難が待ち望んでいたとしても…。
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私の名前は、空野姫和。
空野家の一族とその1人である私には、代々愛の奇跡を起こす力が存在するらしい。
そして、唯一私の母が最後の言葉(遺言)として言い残した事がある。
『姫和、あなたは必ず幸せになりなさい。
でも…、もし恋に落ちた相手が、力を受け継いでいる人だとすれば、世界を救うため…きっと力が解放されると思う…。ただし、この力の事は皆には絶対に秘密だよ…。』
それが、最後の頼りの言葉でもある。
ー 2人はまだ知らない。この先の未来のことを…。
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