お食事会side:瑞希

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そんなこんなで、何故か島津さんと上條さん、そして突如現れた勝沼さんと食事をする事になってしまった。 「な~んか……合コンみたいですね、この状況」 嬉しそうにはしゃく島津さんに「だね~」とノリ良く返す上條さんの隣には、どことなく緊張気味に姿勢を正した勝沼さんがいる。 はっきり言って、勝沼さんの印象は薄い。 ましてや、同じフロアにいても勝沼さんが担当する機械は隣の製造ラインだし、関わる事はほぼないに等しい。 挨拶くらいはした事があるけれど、まさかこうして食事を共にする事になろうとは。 防塵服を着ている姿しか知らないから、私服姿の彼を見ても今一つピンと来ない。 逆に、普段こんな感じの人なんだー……と妙に感心させられた。 「何食べる?流石に帰りの事もあるし酒は飲めないかなー」 何故か私の向かい側に陣取っている上條さんがにこやかに言う。 「伊原さんと島津さんは飲めるなら飲んでよ。帰りは心配しないで。責任持って俺と勝沼くんで送り届けるから」 「わぁ、ありがとうございま~す」 島津さんのテンションの高さに苦笑いしながら私も「ありがとうございます」と返す。 「けど、明日もう1日仕事あるし……差し支えると困るので遠慮しておきます」 というのは建前で、大して親しくない異性の前で酔っ払うのは私としては有り得ない事。 お酒は好きだけれど、この場では我慢を選択させて頂いた。 私とは反対に飲む気になっていたらしい島津さんが悲しげに呟く。 「伊原さんが飲まないのなら………私も遠慮しておきます」 おずおずと、アルコール飲料が書かれたメニュー表を下げる島津さん。 私に遠慮せずに飲めばいいのに……と思っていると、それを察した島津さんが先回りして言う。 「1人で飲んでも美味しくないし」 それを聞いた上條さんが「ならさ」と口を開く。 「次は飲みにしようか。この4人でLINEのグループ作らない?」 ポケットからスマホを取り出した上條さんに合わせ、島津さんも「いいですねー」とノリノリでスマホを取り出す。 更には勝沼さんまでもスマホを出して、食事を注文する前に連絡先を交換する流れになった。
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