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après cela.
レーティングついてるくせに全然過激じゃないじゃない!!
というお叱りを受けそうなので、とりあえずその後のお話を載せておきますね'`ィ (゚д゚)/
ロラン……災難やなぁ……(by駄目作者
それは、魔が差したとでも言うのだろうか。打ち上げの後部屋で飲み直し、そのまま朝を迎えたガブリエルは、すやすやと眠るロランを腕に抱いたまま目を覚ました。
――寝顔、案外可愛いじゃん。……とか、考えてる場合じゃないんだよなぁ。どうしよ、これ。
思わず頭を抱えたい気分に駆られ、ガブリエルはひとり項垂れた。
◇ ◆ ◇
すぐ間近にあるグレーの瞳がガブリエルを映し出す。目くらい閉じればいいのにと、そんな事を思いはするものの、ガブリエル自身目蓋を閉じる気にはならなかった。息苦しいほどに深い口付けは、若い躰に熱を宿すのに不足ない。
「っ、……ぅ、……は」
「どうしたのです? たかがキスひとつで感じてしまうほど、あなたが初心だとは存じませんでしたが」
濡れた唇を指先で辿りながら、ロランはその目を眩しそうに眇めた。どうにもそれが悔しくて、ガブリエルは自らの拳で口許を拭う。
「生理現象って言葉、知ってる?」
「もちろんですよ。ですからこうして、あなたの躰は反応しているのでしょう?」
言いながら、細い指が布地を持ち上げる屹立を撫でる。それだけでガブリエルの腰は無意識にぴくりと跳ねた。
「こんなに硬くして、窮屈ではありませんか?」
「誰のせいでこんなになってると思ってるんだよ」
些か恨みがましいガブリエルの声に、ロランはくすりと笑みを零した。
「私に興味が沸いたとおっしゃったのは、他でもないあなたですよ、ガブリエル。ですから、教えて差し上げているんじゃありませんか」
「あっそ。嬉しくて涙が出るね」
「私が相手では、ご不満ですか?」
お伺いをたてておきながら、ロランの細い指は器用にガブリエルの前を寛げた。細い指が肉塊を這うさまは、まるで女のそれのように見えなくもない。
――手、綺麗なんだな。
生まれてこの方、肉体労働などした事もないのだろう。ロランの指は美しかった。
――顔はまあ、悪くない。キスもまあ、嫌悪感はない。……なら、まあいっか。
ガブリエルはロランの頤へと手を掛けた。然程力を入れなくとも上がった唇に口付ける。
「俺があんたに興味があるのはまあいいよ。あんたはどうなの」
「その気がなければこんな事はしませんよ」
「まあ、普通はそうだよね……」
「まるで普通でないとおっしゃっているように聞こえますが」
「同性の後輩襲っちゃうのが普通だっていうなら謝るよ?」
答えてみろとばかりに指先でロランの唇を辿る。普段目立つことのないパーツは、幾度かの口付けを経て薄く色づいているようだった。
――案外やわらかい。
ふにふにと唇を弄びながら、ガブリエルは小さく笑った。
「体温なんてなさそうな雰囲気だったのにね」
「……酷い言われようですね」
「ヴァレリーのお手付きっていうのがちょっと癪だけど……」
「そんな事を気にするようには見えませんが?」
「ロランの方が酷くない?」
抗議するかのように指先を押し込めば、ロランは抵抗するでもなくその口内へと受け入れた。くちりと、微かな水音が響く。求めるまでもなく舌を絡ませ、指先を吸い上げるロランの姿に煽られる。
「は、サービス精神旺盛じゃん。ここは、俺のも咥えてくれんの?」
ぐ、と指先に力を入れれば、ロランの口が大きく開く。
「っぁ……」
「ちょっと狭そうだけど」
開かれた口角から唾液が滴り落ちて、ガブリエルはようやく手を離した。
「お望みとあれば、どこででも咥えて差し上げましょう」
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