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「お嬢様は春灯家の長女様です。そして、春灯家はとても大きく、世界から注目される財閥のひとつです」
「ええ。そうね」
「ですから、お嬢様はどこかの有名な御屋敷の方とご結婚することが……」
「そんなの関係ないわ!」
そこまで熱弁した皐月の言葉は遮られて終わった。
ひとつ息をついて皐月は言った。
「では、お嬢様」
「なによ?」
「お嬢様が16歳になった時にもその想いが変わらなければ、ぜひ」
皐月がそう言うと少女は頬を赤らめて胸に手を当て言った。
「もちろんよ!変わることなんて無いわ!」
「左様でございますか……」
微笑みながら返した皐月は少女の手を引き廊下を歩いた。
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