銀色の雪

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「なあに、正月こそ、君らの晴れ舞台じゃないか。もう少し田舎に行けば、ちやほやされることだろうさ」  シモッチが言うと、緑色の顔をしたカドマヅチが、不満げな表情で詰め寄った。 「嫌味やな、自分は。どうせ正月にしか活躍出来ひんとか言いたんやろ」 「縁起物とはそういうものじゃないか。それが君達の役割だろう。……まあ、そのうち正月にもお呼びがかからなくなったりして」 「なんやと、こら」  二人が喧嘩を始めそうになったので、わたしは慌てて間に入った。 「わからなくてごめんね。後でちゃんと勉強するから」  わたしには彼らの役割はわからなかったが、なんとなくかわいそうに思えて、励ました。すると、カドマヅチがわたしの顔をしげしげと見つめて目を輝かせた。 「ええ子や。この子には何か加護を授けなあかんな」 「カドマヅチさん、特別扱いをしてはいけないのでは」 「でも、僕らが見える子供は、今時珍しいですからね」  三兄弟が何やら話し合いを始めている横で、他にもたくさんの精霊が降りてきて、わたしに自己紹介を始めた。今思えば、どう考えても夢を見ていたとしか思えない光景だ。
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