君と雪の日のこと

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 一人で勉強していると時間がわからなくなる時がある。  寒さでくしゃみをし目を開いて、僕は自分が居眠りをしていたと気づいた。 「寒……」  窓のカーテンを薄く開けると外が白かった。 「雪だ……」  コートを羽織って外へ出る。ほとんど衝動だった。  引っ越しすると聞き、絶望感に苛まれた四年前。 あの時、風花が舞っていた。手のひらに受ければすぐ溶けてなくなる淡い雪の子ども。  僕の恋の結末を暗示しているみたいで嫌だった。  僕は、まだ踏み跡のない雪に足跡をつける。君は僕のことなんか忘れているだろう。十代の四年なんて半世紀前と同じくらい大昔だ。  白い雪にこれでもかと足跡をつける。君の心に僕という存在が残っていればいいのに。
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