緑茶

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緑茶

(……美味い! 絶品のどら焼きだ。 生地とあんこの交わる味が実に絶妙だ! 青狸の大好物というのも頷ける)  青狸を思い浮かべながら、どら焼きの甘い余韻を味わい尽くす。すると、目の前の5つ並んだ青いライトの1つ右隣にもう1つライトがゆっくりと点灯した。  現在青ライト6つ点灯。 (なんだ……? このライトは……? どうして点いた……? 何の意味があるのだ……?)  突如ライトが1つ点灯した事に対して考えを巡らせる。 (だが、今考えていても答えは出ない……。 その内にわかるだろう……)  不安を感じる最中、必死にそう言い聞かせた。ふと、飲み物がない事に気付く。 (どら焼きを食べたのだ……。 和菓子に合うといえば昔ながらのあの飲み物だ……。 次に語るものは決まった……)  再びマイクに近づき、ゆっくりと語りだす。 「緑茶は……、良い……飲み物です……。カテキンが入っていて……身体にいいだけでなく……、和菓子との相性もピッタリ……。落ち着きたい時に飲むなど……、シーンを選ばない飲み物としても……、打って付けです……。 もちろん……、今食べたどら焼きと……、一緒に食べるのも大いにアリです……」  気付けばキッチンのすぐ右側にあるポットの注ぎ口の下に湯呑が置いてあり、お湯がチョロチョロと注がれ、瑞々しい爽やかな香りが漂う。中をみると、黄緑色で透き通った小綺麗なお茶が淹れられていた。 (やけに準備がいい……。 どんな仕掛けなのだ……?)  気になりながらも、口の中に残るどら焼きの余韻がある内に、緑茶を啜り、ゆっくりと深く味わう。 (こりゃいい。和菓子にはやはり緑茶がピッタリだ)  緑茶を堪能した後に、青いライトの1つ右隣にさらにもう1つライトが点灯した。  現在青ライト7つ点灯。 (さらに1つ点灯した……? これは……? いったい……?)  未だにライトの意味がわからない。その事に対する恐怖は拭いきれずにいた。
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