おめでとうが言えなくて……

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電話のコールの音が鳴り、 「もしもし」 あけちゃんの声が聴こえた。 「あ、あ、私です」 雪の寒さと緊張で、まるでオレオレ詐欺みたいな出だしになり、 焦りまくる私をよそに、あけちゃんは 「ゆうちゃん?どうしたの?」 いつもと変わらず優しく話しかけてくれた。 「あのね、あの…」 ちゃんと言わなきゃいけないのに、言葉が上手く出てこない。 沈黙になってしまって、余計に焦ってしまい、声まで出なくなってしまいそうになる。 どうしよう。 どうしよう。 ちゃんと伝えなきゃ…… 公園をカズキチとウロウロ歩きながら、言葉を探していると 「ごめんね…」 ふいに沈黙を破る、あけちゃんの声が聴こえて、 私はビックリしてスマホを落としそうになった。
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