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ほどなくして始業のチャイムが鳴り、小太り支社長による朝礼が始まった。支社長は例の林さんと一緒にオフィスに入ってきたのだが、その姿に僕は度肝を抜かれた。
「えー、以前からお伝えしていたように今日から約1ヶ月間、本社の林さんが営業部で一緒に働くことになります。じゃあまずは簡単に自己紹介してもらえるかな?」
一歩前に出て深々とおじぎをすると、ゆるくパーマのかかった髪を耳にかけながら林さんが話し始めた。
「林と申します。よろしくお願い致します…」
そう、我が社が誇るトップセールスはなんと女性だったのだ。もちろんこのご時世、性別によって業務が制限されるようなことはほとんどなくなったものの「営業=男性」という強いイメージを持っていた僕は衝撃を受けた。
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