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「とりあえず…飲み行こか?」
「はぁ?」
もちろん僕にはその真意が分からず、先ほど疑念を通り越したばかりの恐怖はすっかりと消え去り、今ではちょっとイライラしていた。
なんでこんな訳わからん人がトップやねん。どうやってあの売上立てたんや。
色仕掛けか?枕営業マンってことなんか?
「あの…林さん?ちょっと何言ってるか分からないです」
「お、サンド?ネタめっちゃおもろいよね」
「別にサンドイッチマンの真似したわけやないです」
「サンド”イッチ”マンやなくて、サンド”ウィッチ”マンな。営業マンなら相手の名前は間違えたらあかんで」
「マンマンうるさいです。というか漫才みたいにするのやめてもらっていいですか?僕ら漫才師じゃなくて営業マンなんで」
「…君の方がマンマン言うてないか?」
だめだ。気づいたらこの人のペースに乗せられている。
冷静になろう。まず林さんは僕が思ったような人ではなかった。大丈夫、営業でも相手が第一印象で抱いたイメージと全然違う顔を見せてくることはよくあるじゃないか。
確かなことはこの人がめちゃくちゃ変な人で、僕を道連れに堂々と仕事をサボろうとしているということだ。
…マジでなんでこんな人がトップなん?
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