33人が本棚に入れています
本棚に追加
【4】シュールたあぁんっ!!!どこおおおぉぉぉっ!!!
――――事件はお祈りから帰ったときに起きた。うん、俺神子。ちゃんと神さまへ『俺にシュールたんという超かわたんやばたん尊すぎる番をお与えくださりありがとうございます』ってお祈りしてるんだ!
そして本日はそれプラスちょっと長めな季節のお祈り……だったのだが。
「シュールたんっ!?俺のシュールたんどこおおおぉぉぉっ!!!神殿内のどこにも、シュールたん臭がしないいいぃっ!!!」
「雪月さま、それシュールさまの前で言ったら怒られますよ」
「え……?」
神殿内の神官兼侍従・嵐嵐のひとこと。因みにパンダ獣人。貝性である。
「哦性と言うのは、哦激素の匂いをみな気にするのです。それを臭などと言ってはなりません」
「シュールたんの臭ールは最っ高にかぐわしいぞ、嵐嵐っ!!」
「ひとの名前勝手に愛称みたいにしないでくださいよ。あとそれはさらに言ってはなりません。……嫌われますよ」
「ぐはぁっ」
吐血した。シュールたんに嫌われるなんて……嫌われたらもう俺生きて行けなぁいっ!!!
あと、嵐とくればやっぱりランラン!俺的にはランランなのぉっ!だってそもそも、パンダ獣人じゃないかぁっ!
「分かったのならシュールさま臭とか臭ールとか言わない」
「あぁぁあぁっ!シュールたぁんシュールたぁんシュールたぁん……そうだよシュールたん!この俺の傷心を癒すためにはまず……シュールたんによしよししてもらうんだ……っ!シュールたんどこ?シュールたんどこおおおぉぉぉっ!!!」
「……街へお買い物に行かれましたよ」
「……お、お買い物……?欲しいものがあれば予算から何でも買い与えろおおぉぉぉっ!」
「シュールさまが物欲強くなくて本当に良かった。さすがは雪月さまの番さまです」
「当たり前だぁっ!シュールたんは世界一の俺の番!俺のヨメ!そんなシュールたんが……っ、何故街にぃぃっ!?買ってやれないものでもあったと言うのか!?」
「……それはご自分で聞かれては?」
「あったり前じゃいっ!しかも街……だなんて恐ろしいっ!」
「治安はいいですよ」
「哦性的にな問題だよ!!哦性のシュールたんを狙う欸性どもが闊歩している恐ろしい街に!シュールたんが……っ!」
「アンタも欸性でしょうが。あと一番危険な欸性は明らかにアンタですよ」
「俺はシュールたんに対してはどこまでも獣人な犬……いや、狐でありたい!」
「ちょっと何言ってるかよく分かりませんが、護衛もついてるので大丈夫です」
「護衛がいたって!番の欸性が側にいなかったら……!シュールたんが……っ!寂しがるだろうっ!!寂しくて泣いちゃうよ!?うーわあぁぁぁぁっ!」
「いや、泣いてんのはアンタの方……」
「こうしちゃおられない!GPSでシュールたんの居場所を検索ぅっ!」
因みにこの世界、手机がある。だって中華だよ?現代中華に対応した、現代人にもありがたい仕様である。
因みに待ち受けはもちろんシュールたんですっ!
「いや、アンタそんなもんいつの間に……いや、欸性の習性なので仕方がないですね」
「そうだろうそうだろう!?」
これはもはや番大好き欸性の基本習性でもあるのだ!
※欸性差があります。
「ではいざ、シュールたんの元へっ!今会いに行くからねっ!俺のシュールたぁんっ!!!」
俺は手机片手に意気揚々とシュールたんを捜しに出掛けた。
最初のコメントを投稿しよう!