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【5】ふぇっぐ…シュールたんいなくて寂しかったよぉ~~っ!
手机片手に神殿を飛び出した俺は、手机GPSを頼りにシュールたんの元へ……ダあぁぁぁ――――ッシュ!!!
そして見つけた!いや、見つけられないはずがない!俺のシュールたぁぁぁんっ!
「シュールたぁぁぁんっ!」
そう手を伸ばした時だった。シュールたんに話し掛けてる男がいるぞ!?女子や同じ哦性男子ならまぁ許容範囲。神殿の貝性ならば男でも許容範囲。でも……。
「おらぁぁぁぁっ!!俺のシュールたんに無断で話し掛ける欸性男人は許さんんんんんんっ!」
「ひいいいぃっ!?そ、そのお姿神子さま!?」
相手の獣人欸性は俺を見て一発で分かったようだ。
「俺のヨメ・シュールたんに話し掛けてるたぁ一体どういう了見だ!」
「いや……その、道を聞こうとしただけで……その……っ」
「だまらっしゃい!周りに貝性男子もいるのにわざわざ哦性男子に話し掛けるだと……っ!?下心満載じゃねぇか!哦性っ子はなぁ、日々不安に襲われ苦労してんだよ!発情期が近いのに、発情期が始まったらどうしよう!知らない欸性の男人はやっぱり恐い……などなど!それなのに哦性っ子の気持ちも考えず私利私欲でナンパするたぁどういう了見でいっ!」
「す……すみませんでしたぁ――――――っ!」
やはり、ナンパ男人だったか。しかも人夫哦性だぞ!?未婚でももちろんだが……不埒な欸性には変わりねぇっ!
どぴゅ――――っと逃げていくナンパ欸性。そして周りから溢れる拍手喝采。中には哦性っ子や番カップルもいるようだ。うむ……欸性と言うのは社会的地位を築いているものも多い。その中でも下位であったり、平凡であるがゆえに声をあげられない貝性、哦性っ子も言わずもがな。みな、それぞれ訴えたくとも訴えられないのだ。だからこそ、こう言う時は神子さま俺の出番と言えよう……!
「皆のもの!哦性っ子には優しくな!」
じゃ、とポーズを決めれば、ぽかんとするシュールたんの手を掴み、ひとだかりを離れていく。
「……あの……雪月さま」
「……シュールたん」
そうして立ち止まり、愛しのシュールたんを前にして思うことは。
「シュールたん、寂しかったよおおおぉぉ」
「……雪月さまはシュールがいなくて寂しかったのですか……」
「だってええぇ、シュールたんいないんだもおおぉん」
「すみません、シュールはお買い物に来たかったのです」
「欲しいものがあったら何でも言ってくれれば……!」
「……いえ……おこづかいをもらったので、シュールは自分で買います」
ぐほぁっ!確かに何かあったらと思って多少の金子は持たせたけども!そしてシュールたんのチベスナがま口かわいすぎるけども!それを両手で持ってじゃーんと見せてくれるシュールたんかわいすぎるけども!!!
「でもシュールたんには俺が……俺が買ってあげたいのぉぉっ」
「……それは……ダメです」
なぬぅぐぉはぁっ!!!
そんなことが……あるのか。シュールたんに欲しいもの買ってあげられないなんて俺がもたないっ!!
「シュールは……その、雪月さまに……えと」
もじ……。
シュールたんがもじもじしてるううぅぅっ!?かっわよおおぉぉぉっ!!?
「雪月さまはいつもきつねうどんとおいなりさんを作ってくださるので」
「うん?当たり前だよっ!シュールたんのこと、愛してるもんっ!」
「その……ですから……」
「ん……?」
「シュールも……作りたいと思ったのです……」
え、それって……っ。
「その……シュールもお料理を、と思いまして」
がげほぁぁぁぁっ!
シュールたん……っ、萌え――――――――っ!
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