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【6】ずっと見ていられるシュールたん
――――シュールたんの手料理が食べられるなんて……っ!俺嬉しすぎて踊り出しそうだけども……がまん、がまん。
「じゃぁ、せめてお買い物のエスコートはさせて?」
「……ですが、何を作るかバレてしまいます」
「予想しながらわくわくするから平気!それに護衛いいいぃぃっ!シュールたんに欸性近付けさせんじゃねぇっ!!」
護衛の意味ねぇだろぉがっ!
「で、ですが話し掛けただけでは……」
護衛の声がどこからか聞こえてくるが……。
「それだけでも恐がっちゃう哦性っ子はいるんだ!」
「は、はい!」
護衛も反省したようだし、いいけども!やはり番としては番をひとり城市歩きだなんてさせられない!
「雪月さま、シュールは別に恐くは……それに、シュールはもう雪月さまの番なので……ほかの欸性に哦激素は効きません」
俺の番……っ!シュールたんの口からその言葉が聞けてめちゃ嬉しい……のだが。
「それでも、途中で発情期にでもなったら……!あと、人夫狙いの欸性だっているんだよおおぉぉっ!?」
「……っ!」
そうだよ、シュールたん。びっくりしたね……?でも俺が一緒だから大丈夫!
「だから、一緒に行こう……?」
「……はい」
こくんと頷くシュールたんの頬はほんのり……桃色で俺ぎゅんんんっと来ちゃったよおおおぉぉっ!!!
「分かっても……言っちゃダメです」
ぐはぁっ!上目遣いに見てくれるシュールたんも激萌ええぇっ!
「分かってるよ!シュールたんっ!」
そうして俺はシュールたんのお買い物に付き合うことになったのだが……。
「シュールはこれが欲しいです」
シュールたんは青と赤のトウガラシを大量に買い込んでいた。
自分でチベスナがま口の金具をパチンと開け、ごそごそとお金を出すところとか、またがま口の金具を閉じて満足げに赤青トウガラシが大量に入った袋を受け取るところとかマジでかわいい。全部かわいい。全部脳内録画これ必須ううぅっ!
――――しかも、とたとたと俺の元に戻ってきて……。
「……まだ……シュールが何を作るか……分かってませんか?」
そわそわしながら聞いてくるんだもん~~っ!かわいすぎてもう俺溶けそう。猫は液体と言うけれど、きつねだって液体化しそうな勢いでシュールたんのカワイさが押し寄せてくるのおおぉぉ~~っ!
「わ、分からないよ」
「……ほっ」
……としちゃうシュールたんさらにカワイイ。でもこれはおべっかじゃないんだ。溺愛スパダリ欸性の華麗な気の利かせ方でもないんだ。
――――俺、マジで分かりませんが!?
「あの、シュールたんは辛いものも好きなの?」
次の店に向かいつつ、トウガラシ入りの袋を持ってあげながらシュールたんに話し掛けちゃう俺。でも何でやっぱりこの大量のトウガラシいいぃっ!
「シュールは甘いものも好きですが、辛いものも好きです。もちろん雪月さまの漬けてくださるほんのり甘いきつねあげも……」
はぅーんっ!シュールたんが華麗にフォローしてくれるのおおぉっ!そしてまたひとつ、シュールたんのスキを知れたのは俺としても嬉しいっ!!!しかし……シュールたんどうしたんだ?急に元気がなさそうな……。
「雪月さまは……辛いのは苦手でしたか……?」
はぐううぅっ!?まさか……まさか不安にさせたのか!?
「好きだよ!!四川麻婆四川春巻四川激辛肉串いいぃっ!」
何たって、中華風世界ですから!!何故この世界に四川と言う地名の付いた料理があるのかは分からないが、四川と付けたことで分かる麻婆の辛さの度合いには……越したことはないのである!
「……ほっ、シュールは安心しました」
あぁんっ、シュールたんのほっ顔最高おおおぉっ!俺はむしろドキドキしてきたぁっ!
「次はこちらです」
ん?お次は……チーズ屋……?
シュールたん……ほんとに何作ってくれるのか、俺全く分からなくてどっきわくが止まらないいいぃっ!
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