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【7】シュールたんの手料理
あぁ……シュールたんの手料理……っ。
胸が高鳴る。
そして同時に。
トンッ
トンッ
トンッ
サクッ
サクッ
サクッ
神殿のリビングにて、シュールたんの特製手料理を待っているわけだが……。
シュールたん、何を切っているんだろ。いや……明らかにトウガラシ!トウガラシだよね!?そんなに入れるのかな!?トウガラシ!
そして暫くすれば、お盆にお皿を乗せてシュールたんがとことことやってくる。あぁっ!俺のためにお料理運んでくれるシュールたんも……っ、萌え――――っ!!!
コトッ
シュールたんがお盆ごと俺に差し出してくれた、手料理とは……!
これは……何……だろう……?中華……うーん、中華ではない気がするな……?多分アジアなんだろうけど、中華ではない気がする。
思えばこの世界……中華……じゃないものもあるよな……?一応中華風が大元にあるのだが、違うのもある。
獣人的にも中華じゃない獣人いるよな……?ヒマラヤの向こう側とか、多分君の獣人種、タイかカンボジア風じゃないかなってのとか。
しかしそのお陰かたまに神殿でもピザが食べられる。
……。
ピザ出てくる時点でそもそもおかしいいいぃっ!まぁ服装は長衫とか、立襟の服とかチャイナボタン、柄が多めだけども。
でも……民族性豊かな装束もたまに見かけるんだよなぁ……?
だから……こう言うことだってあるだろう。一見お野菜のチーズ煮込みに見えるこれ!
けどシュールたんが買い込んだのはトウガラシ。赤青トウガラシなのである!つまりはこれも……確実にトウガラシだよコレきっとおぉっ!!!
「……」
しかし……っ。ちらりと横を見やれば、ドキドキハラハラしながらこちらを見つめてくるシュールたぁぁぁんっ!そう、たとえこれがトウガラシだとしても。チーズにまみれたトウガラシだとしてもだ……!
シュールたんの手料理を食べないと言う俺など……いるはずがない……!!!
さぁ、行くんだ俺ぇっ!四川麻婆で鍛えたこの舌は、確実に前世の舌よりもトウガラシに鍛えられているはずうううぅぅぅ――――――っ!!
ぱくっ
う……ごおおぉぉぉぉぉぉぉっ!!容赦なく襲い掛かるトウガラシいいぃっ!赤青トウガラシの群れえええぇぇっ!しかし……しかし赤青トウガラシの群れを優しく包み込むチーズとの相性が絶妙おおぉぉぉっ!
辛い……。確かに辛い。
しかしトウガラシをザクザク食べるこの冒険者感!そしてチーズとのハーモニーっ!これは食欲がそそるというもの進むというもの!もはやシュールたんへのホットビート溺愛執着道これ一択の俺を、もう誰も止められないいいぃぃぃっ!!!!
※雪月は四川風激辛中華に慣れているため食べられますが、慣れていない方は無理しないようにしましょう。
そして最後に牛奶を一杯っ!!
「真好吃っ!!!」
「……っ!雪月さま……っ」
俺は見た……!シュールたんが嬉しそうに頬を赤らめるのを。
俺は……何て幸せ者な欸性なのだろう。
「シュールはまた……作ってもいいでしょうか」
「もっちろんっ!俺、シュールたんの手料理ならいくらでもトウガラシ食べられる!」
「そう……なのですか……?お代わりがあります」
「……っ」
何……と……?
「シュールも一緒に食べていいでしょうか……?」
「も、もちろんだよシュールたぁんっ!!」
いつも俺も食べてるし!シュールたんの手料理なら俺、頑張れる。火鍋だって激辛餃子餡だって恐くないいいぃぃっ!!
――――シュールたんが久々の郷土の味だと嬉しそうにトウガラシを頬張る姿を幸せな心地で眺めながら、――――追加で3杯ほど堪能した。
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