1 デブの体型

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1 デブの体型

 僕が町を歩いていると、小山のような男が前方を歩いていた。  もしやと思い追い越して振り返ってみると、やはり、中学のときの同級生、デブと思われる。 「お、おまえ。も、もしかすると、デブ?」  驚愕する僕を尻目に、彼は言った。 「おう。久しぶり。どうだい、おれ、相当体型変わっただろう」 「い、いったい今何キロなんだ」  僕は問わずにはいられない。 「へ。へへ。三トンさ」 「さ、三トンって、おまえ」息を呑んだ。「ど、どおりで。その体型だもんなァ」  僕は言った。 「ずいぶん痩せたな」
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