雪の妖精物語

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 鉛色に垂れ込めた空から、小さな白い粒が舞い降りてくる。  冷たい風が吹き抜けるたびに、木々の枝はカサカサと音を立てる。  休みなく落ちてくる雪をボケーと眺めていた。  俺は白い溜息を吐いた。  とりあえずこの雪の中、今日の使いっ走りをどうするかだ。  パンだのジュースだの買ってこいって言われたけど、もう金がない。  とっくにない。  親のサイフから抜き取るのも限界だよ。家だって金が余ってるわけじゃない。  知ってるよ、そんなこと。  けど金がない。どうすりゃいいんだよ。  盗みなんてイヤなんだ。やりたくないんだよ、盗みなんて!  来月は新作のゲームが発売される。そうしたらまた「持ってこい」って言われるに決まってる。  金がないって言っても「何とかできるんじゃねえの?この前も何とかしてたじゃないかよ」とか言われて、ニマニマ笑いながら顔を覗きこまれて、「な、プレゼントしてくれるだろ?トモダチだもんな。ハハッ。なんなら貸してくれるんでもいいんだぜ」なんて言って肩を叩かれるんだ。  何がトモダチだよ。お前らと縁を切ることができるならどんなに嬉しいか。  けど…できないんだ…恐くって。  断ったら、何をされるか分からねえもんなぁ。  くそっ!なんで俺はもっと強くなれないんだ!  俺の人生、もう終わってるようなもんだ。  マジな話、終わっちまったほうがマシかも。
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