雪の妖精物語

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 足が痛えなあ。さっき突き飛ばされた時に膝を打ったからなぁ。  もう5時か。早く行かねえと。  けど俺、なんかもう疲れちまったよ。  俺は道端に積み上がった雪のタンコブに座り込んじまった。  そしてまた、空から落ちてくる雪をボケーと眺める。  雪は休みなく降っている。開いている店は少ない。人通りもない。  少し向こうの方はもう雪に埋もれて、青い濃淡のなだらかな起伏になっている。  その先には木々の姿が灰色のシルエットになっている。  このままここで眠っちまおうか。  そうしたら楽になれる。  親の金盗んだり、スーパーで万引きさせられるよりよっぽどいい。  まだ警察に捕まったことはないけど、こんなこと続けてたらいずれ捕まっちまうよな。  捕まるのはアイツらじゃなくて、俺なんだよ。  警察に捕まるとか、そういうのも親不孝だけど・・・  死んじゃうってのもなぁ・・・。  どっちがマシなんだろ。  もう・・・このまま・・・眠っちゃっても・・・いいかな・・・  うぅ、寒ぃ・・・  誰か助けてくれよ。  妖精でも雪女でも妖怪でも、何でもいいからよ。
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