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それからというもの、奴らは毎日放課後の教室で、お笑いの練習をしている。
どうやら地区のお笑いコンクールに出場するつもりらしい。
教室の隅からオッサンは忙しく指を振り、アイツ等の芸の育成に余念がない。
クラスの連中も俄かディレクターになって学園祭並みの盛り上がり。
オッサンの指導にも熱が入ってきた。どうやら奴らの脳ミソに直接指示を飛ばしているらしい。
「おい、お前この前クラス全員の前でパンツ姿を披露したんだって?」
「いやん!そんなこと言われてるのぉ?」
「おお!あのマドンナ美紀ちゃんも最前列で見たと言ってたぞ」
「えっ!マドンナ美紀ちゃんが?きゃーっ!やっだ~、恥ずかしいわ」
―そこ!もっとソフトに身体くねらせるんじゃ!流し目して!―
「おうよ!タコのイラストが可愛いくてマジマジ見たってよ!」
「やっだー!マジマジってまじぃ?」
―そこでズボンの前を押さえるんや!―
「おう、マジマジ!」
「けど、その話、真実とは違うな」
―カット!カット!そこは急にまじめな真剣な顔にならんとあかんがな!―
「なに、真実と違う?どこがや?」
「だってぇ、あれはイラストじゃなくて~」
「イラストじゃなくて?」
「アタシのペットのタコ美ちゃんなの~」
「パンツの中でタコ飼うな!(バシッ!)」
―そこで前を押さえとった手をパッと離したらタコ人形が見えるように出来けんかぁー
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