巡る雪

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巡る雪

 それから藻波に何度雪が降っただろう。二人は並んで見た全ての雪を忘れなかった。 「雪雪。今年も雪は美しいのう」 「そうですねぇ。怜常丸様」  怜常丸に背中を預けた雪雪は、昔を思い返すように遠い目を降り続く雪に向けていた。 <完>
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