身を捨ててこそ浮かぶ瀬もあれ

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両手で口を押えて、プルプル震えている。 気分でも悪いのかと心配してみたが、目は笑っていて、声を出すのを必死にこらえているようだった。 そして、口を開いたかと思うと、 「あ、ごめーん。私の勘違いだったみたいー」 あっけらかんと言ってのけ、さらに続ける。 「あれ?いいえだけで答えるんじゃなかったっけ?」 と、今度は沼田に向けて勝ち誇ったような態度で言う。 「はあ?なんだよそれ」 さすがに沼田も事態を飲み込むのに時間が掛かっているようだった。 そして、里奈が最後に付け加える。 「みんな、ごめんねー。心配させちゃったかな?」 これには男三人、同時に答えた。 「い、い、え」
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