桜の花の木の下で

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「僕はしがないサラリーマンですよ!河内さん、桜が散るまででもいいので、友達になってくれませんか?」なんか友達なんて切り出すのは早かったかな、ドン引きされるかな、拓海は今逃したらだめかもと思いいちかばちかだった。 「私で良かったら」静家は、はにかみながら承諾した。拓海は恥ずかしそうにしている静家(しずお)」が可愛らしく感じた。 「じゃあ!また明日も桜並木でこの時間に会いましょう!もう友達だから僕のことは、タクミと呼んで君のことは、シズオと呼ぶよ」 「私は男の友達は初めてなんだ!なんか嬉しい」 「じゃあ、シズオまた明日ね!明日は遊びの計画をしよう」明日も会う約束をしてふたりは別れた。 拓海は、思い切って声をかけて良かった。友達にまでなれるとは思わなかったので最高に嬉しかった。 その夜はシズオの白い色っぽいうなじが頭の中に浮かび抱きしめたくなったり、変な想像ばかりして興奮して眠れない。なんなんだ、やっと友達になれたのに僕はシズオに何を求めているんだ?こんな妄想はだめだ。シズオは男なんだ、ただの友達として接しなければ嫌われてしまう。なんでこんな思いが出てきちゃうんだ、ああ、どうにかなりそうだ。明日はシズオに対して冷静に接することができるかなぁ、頑張って自分を抑えよう。
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