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「シズオさん可哀想に、長い間辛かったでしょう?気付いてあげれないでごめんなさい」綾乃は泣きながらシズオに服を着せた。
「綾乃は何にも悪くないよ!私はお母様に売られたんだよ真木に。でも、もうどうでもいいんだタクミも死んじゃったし、私はタクミとともに死んだんだ、今ここにいるのはなんでもないただの肉体だ」
「シズオさんもう解放します。恋人のところに行って!恋人は生きていますよ、病院に入院していますよ」
「え!タクミが生きているの?」シズオは泣いて飛び出していった。
「シズオ〜行くな!ああ、わたしのシズオ」真木が後を追おうとしたが綾乃の命令で使用人に抑えられた。
真木の屋敷からシズオが裸足で飛び出して来た。
外で車の中から様子を見ていたタクミの弟が、あれがシズオさんだな。やっぱり閉じ込められていたんだな、うまくいった。
「シズオさん?タクミの弟です。早く、車に乗って兄貴のところに連れていきます」
シズオは喜んで車に乗った。
「タクミが生きていた。ああタクミよかった。」
シズオはタクミが生きていて嬉しくて涙が出て止まらない。
「こんなに綺麗な人に、こんなに思われていて兄貴は幸せものだ」
本当に美しい人だ、兄貴が好きになるのもわかる。
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