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「だって、あの時のキスが忘れられないんだもの」
「僕、実はね、君に一目惚れだったんだよ!ここで会社の同僚と花見をしていた時、あの桜の間から君の美しい顔が見え隠れして、視線を離せなくなって、つい君のあとをつけていたんだ。でも見失っちゃって、又君に会えるんじゃないかと何日もここに通ったんだ。そして君が来た、このチャンス逃してはいけないと思って、思い切って声をかけたんだよ。男の僕が男の君に一目惚れなんて自分でもびっくりしたよ」
「本当?そんな話し初めて聞いた。そうだったんだ嬉しい!私だって会ったばかりの人と友達になり、その男の人と恋人にまでなるなんて凄く不思議だった」
「でもこうやってシズオと夫婦になれたんだ!あの時思い切って声をかけて、ほんとうに良かったと思っているよ。僕の可愛い奥さん、愛しているよ」タクミはシズオを抱きしめて長いキスをした。
「旦那様、ご馳走用意してありますよ。さあ、帰りましょう?私の踊りもご披露するよ」
「え!券を買ってあんな遠くの席でもう見なくていいの?目の前で観れるの?」
「そうだよ!スポンサーの特権、そして私の旦那様の特権」
タクミの会社は海外にもいくつも支社を持つ大きな会社になり河内流本家のスポンサーとなり、今は本家にシズオと住んでいる。
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