桜の花の木の下で

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結婚はタクミの両親は反対したが、弟が説得して両親も渋々承知した。シズオのほうも世間体を気にして反対したが、従兄弟が長い間、河内流のために犠牲になって辛い思いをさせて来たのだから幸せになって欲しいと言ったら、母親も自分が犠牲にしたのだから何も言う権利はないと認めた。 障害は少しあったけど晴れてふたりは結婚できた。 タクミの両親はまだこだわっていて一緒に住むことは拒否したので、ふたりの住まいはシズオもまだ踊りをしているので時に本家の離れになった。タクミも本社をこちらに移した。シズオが望むなら家を買って引っ越す。 シズオは辛い過去をまだ引きずっている。夜眠ると、うわ言をいって暴れるそういう時はタクミが抱いてあげると静かになる。タクミは何をされたのか、あえてそのことには触れないようにしている。ただ抱きしめて過去のことなんか忘れるほどシズオを幸せにしたいと思う。 「シズオ僕だよ、タクミだよ!僕が抱いているんだよ、シズオ感じた?」 シズオが暴れる時はいつもタクミが抱いていたと錯覚させる。 「ああ、見知らぬ男達に抱かれる夢を見た!ああ〜タクミで良かった。タクミ大好き、もっとやって?」 タクミはそんなシズオを見ると可哀想で涙を流しながらきつく抱きしめる。        
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