クリオのこれから

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「彼の名前はネーレウス。 一人暮らしの15歳だ。」 一人暮らしの15歳? というと、中学3年生? 「一人暮らしなのですか…?」 「色々、あったんだ。」 ヘリオスは無表情を貫いた。 それでも、唇はかすかに震えている。 「そう…ですか。」 クリオは一息つく。 何があったのか。 本音を言えば興味などない。 嘘なら嘘でいい。 取り繕いたければ取り繕えばいい。 裏のことなんてどうでもよかった。 「どうだろうか。彼の元へ行ってくれるか?」 「行きます。」 自分でも驚くほどに即答だった。 どうせ行く場所なんて無い身。 どこに行ったって構わない。 そこで、殺されようと構わない。 私が存在している意味なんてものは無い。 いつ消えたって構わない。 「そうか。」 ヘリオスは小さく頷いた。 「実はネーレウスくんは俺も知り合いでな。 仲良くしているんだ。 前々から、一人暮らしで心配でな。 前からアンドロイドが欲しいとは言われていたんだが、俺がプレゼントできるようなものでも、ネーレウスくんが自腹で買える金額でもなかったからなぁ。」 長々と聞いてもいないエピソードを語る。 そして、少しバツが悪そうに頭をかいた。 「たまに様子を見に行くから、まあ、頑張れよ。 色々、書類を取ってくるな。」 私の髪をわしゃわしゃっと撫でる。 傷んだ人工毛が、ふわっとなびいた。 そして、ヘリオスは足取り軽く部屋を出ていこうとする。 クリオは背を向けたヘリオスに独り言のように声をかけた。 「今の時代、セクハラですよ?」 ヘリオスの足は少し速まった。
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