1、バッド モーニング~最悪の朝~

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「なにブツブツ言ってるの? 留守番なんて、いつものことじゃない」  ドーナツのカスだけになったお皿を持って、マムが立ち上がった。 「だって、今回はアマンダおばさんが来ないんだよ。そんなのありかよ」  アマンダおばさんなら、ぼくの秘密を承知してるから、なんの心配もいらないのに。 「ベビーシッター協会も忙しいのよ。そのかわり、ヨーコに頼んだんだから、いいじゃない」  そう言って、マムはキッチンに行ってしまった。 「やだ! ヨーコはベビーシッター協会の人じゃないじゃないか!」  マムの返事はない。そのかわり、ダッドが言った。 「ヨーコだっていいじゃないか。ホームパーティーでおまえにも挨拶してただろ。優しそうなジャパニーズじゃないか」  そうだよ、だから嫌なんだ。優しそうだし、おまけにキュートなお姉さんなんだ。 「マ~ム! ヨーコに、絶対、言っちゃダメだからね!」  ぼくは、キッチンのマムに届くような大声で、もう一度、念を押した。
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