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残されたヨーコと向き合って、ぼくはいったいどうすりゃいいの?
わからないから、とりあえずヨーコを観察した。サンタモニカカレッジのロゴの入った白いTシャツをブルージーンズと合わせて、ラフに着こなしている。ライトグリーンのトレーナーが、腰にキュッと巻き付いていて、細い体が今にも折れそうだ。沈黙を破り、ヨーコが言った。
「ハウ オールド アー ユー」
いきなり、年齢? 個人情報を教える義務はないよ。子どもだと思って、馬鹿にしてる? ぼくは、だんまりを決めたけど、黒くて長いまつ毛を瞳の上に重ね、にっこりとやわらかな表情を見せるヨーコに、ぼくは負けてしまいそう。鎖骨のあたりまであるストレートの黒髪が、小さな顔をさらに小さく見せている。言葉が通じなかったと思ったのか、今度は、
「アイ アム セブンティー」
と言い出した。70歳? ありえない。ぼくは、
「センブンティーン」
と言い直してあげたのに、
「イエス、イエス、アイ アム セブンティー 」
と、「私は70歳です」を繰り返す。
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