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「じゃあさ、せめて、シュウも一緒に泊まってくれないかなあ」
「ごめんよ、テディ―。シュウはダッドの助手として、ついて来てもらわないと、困るんだ」
もう、勝手にしろ!
外で車の止まる音がした。
「シュウが迎えに来たわ。じゃあ、テディ―、いい子にしてるのよ」
「サンディエゴまでは、車で約2時間だ。明日の昼には帰ってくるからな」
ダッドとマムが、あわただしく玄関から出て行った。窓をのぞくと、シュウの車からヨーコが降りるのが見えた。今日もシンプルに、ブルージーンズと、白の長そでTシャツだ。髪の毛を後ろに束ねて、白いリボンでまとめてる。アジアン系スーパーマーケットの袋をかかえ、すました顔してこっちにやってくる。ヨーコを見ていたぼくの視界を、黒いものがさえぎった。
窓ガラスに、蜘蛛がはりついていた。先週片づけ忘れたハロウィーンの飾りだ。ぼくは、そのゴム製の蜘蛛をポケットにつっこんだ。
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