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 翌日、新聞の片隅に小さく学園で起こったニュース記事が載った。  警察が学園に到着すると、どういうわけか薔薇園で蔓薔薇に絡まった男が、気を失って居たと言う。  調べによると、その男は学園の生物教師で生徒からの人気もそれなりにあったが、女生徒への偏愛気質があり、自分に好意を示した生徒を監禁し、自分の思いのままにしようとしたのだそうだ。  自分だけを愛する二人だけの世界が作りたかったのだそうだが、好意を示した生徒たちはそれぞれ、一転して自分への嫌悪を口にした。  口を塞ぐために薬剤を使って昏睡状態にしようとしたが薬量を誤り、意図せずに殺してしまったのだと供述した。  そしてそれを隠すために自殺に見せかけ、屋上から転落させた。  扱いが小さかったのは、他の生徒への影響も考慮し、できる限りダメージを最小限に留めるよう、理事長秘書である梅柄 雅が尽力した結果であった。    校長の江沼は、校長推薦により友呂岐を採用し、生物科主任に抜擢したことを元に、更迭された。  仲間だと思っていた生物科の若造教師、御園 真敬(みその まさたか)が椿理事長の腹心であったことで、椿理事長の失脚を狙っていたことなども明るみになった。 「江沼は出て行く時、すごい形相でしたね」  梅柄 雅が理事長である椿 霧矢に話しかけた。  雅が用意した紅茶に口をつけて、椿は頷いた。 「まぁ、やつから仕返しがあったとしても取るに足りないがな。私は祖父の作ったこの学園を守るのみ、だ」  
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