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秘密だよ……
絶対に秘密だよ…………
誰にも言ってはいけないよ
今宵も黒い欲望の手が、伸びようとしている。
悪しき想いが蔓延る時に、結成される
助けを求めるならば、白薔薇を捧げよ
さすれば白薔薇騎士団に、爾の声が届くだろう
私立星霜女子学園の中庭には、バラ園がある。
バラ園には、白薔薇騎士への救いを求める方法が書いてあるレリーフがあった。
女子学園なのに白薔薇騎士。
星霜女子学園に伝わる七不思議の一つと数えられていた。
人の口に戸を立てるのは難しい。
厳格な星霜学園女子高等学校内でヒソヒソと囁かれる。
「白坂 佳澄さん、お亡くなりになったそうよ」
「3階の階段教室から飛び降りたらしいわ」
「学校がひた隠しにしているらしいけれど」
「藤平 梢さんに続いて二人目ね」
「恐ろしいことね」
「本当に、何が起こっているのでしょうね」
「お二人共、博学多才、容姿端麗でしたのに」
「知識や美しさをひけらかさない、慎ましかなお嬢様方でしたのにね」
厳しい教師陣の元、情報は統率されているように見えるが、生徒たちはどこからか情報を手にしている。
そして次は自分の番となるのではないかと、怯えてもいた。
好奇心、畏怖が校内にじわりと広がって行く。
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