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「レイラさん。情報ありがとうございました。言い値を払いますよ」
「結構です。私も蓑傘さんから貴重な情報を頂けたので」
「どういう事ですか」
蓑傘が怪訝な表情を浮かべる。
蓑傘はこれから公安を相手に戦うつもりだろう。今日の情報交換は自分が掴んだ情報の確証が欲しかったからだ。
「共闘しませんか。相手はかなりの大物。いや、国ですよ」
ここは、蓑傘に自分の気持ちをぶつけてみる。
「確かにそうですね。数々の修羅場を駆け抜けたレイラさんが味方になってくれるなら心強い。最も、二人で挑む事になりますが」
蓑傘が素直に笑みを浮かべる。人間らしい表情を始めて見たような気がする。
「私はただの情報屋です。期待に沿えるかどうか分かりませんよ」
「いや。見れば分かりますよ。レイラさん。貴方は只者ではないですよね」
「そう言う蓑傘さんこそ、かなりの人物とお見受けしますが」
「本題に入りませんか。手始めにどの辺から手をつけましょう」
いつもニヤついている蓑傘の表情が本気になる。
「二人の本名から調べましょう。公安だとしたら、身バレは命取りですから」
「成程。当てはありますか」
「その辺は私に任せてください。ただし、これについてはお時間を頂けませんか」
「いいですよ。私は何をすればよろしいですか」
蓑傘には、何処かの使われていない小屋、武器、盗聴器、撮影機器、自動車等の手配をお願いした。
「お安い御用です。では、二人の本名が分かったら、活動開始でよろしいですかね」
「それまでお待ちになってください」
私達は、一旦、この場を後にすることにした。
これから、たった二人で国と喧嘩をすることになる。
下手したら、『蠍』と刺し違えになる。
その時は笑ってごまかそうかな。
自分の人生を……。
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