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「ふざけんなよお前!やってること下着泥棒じゃねーのか!?」 「なんだよさっきから!じゃあ聞くけど、(さとし)くんはこのパンツの匂いがさっ……」 そこで勢いよく奥扉が開いて佐野(さの)が出てきた。同時に俊敏な手つきで(しょう)の手からパンツを奪いかえす。 「(しょう)うるさい!」 真っ赤な顔の目元が可哀そうなくらい潤んでいる。 「ごめん美和(みわ)。なんか(さとし)くんがパンツパンツってうるさくてさ」 「お前……!」 佐野(さの)のキッと睨むような目つきが俺を捉えてきた。 「先生のエッチ!」 え?俺? パンツを握り続けていたのはこいつなのに?と、言おうかどうしようか悩んでいると、佐野(さの)は走ってまた扉の奥へ消えてしまった。 入れ違いに等身大のフランス人形……もとい、宮野(みやの)が怪訝そうな顔を出してきた。
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