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「旨いよ美和!このフルーツサラダとか、瑠璃が作るのと味が一緒だ!」
「瑠璃ちゃんに教えてもらったんだもん。当たり前でしょ」
「カレーは私が美和さんに教えていただきました。美和さんは私なんかよりずっとお料理上手です」
「もう、おだてないで。そんなことないよ」
姉妹のように仲が良い2人をぼんやり眺めているといつの間にか箸が止まってしまっており、それに気づいたらしい佐野が不安げな顔になる。
「先生どうかしました?カレー苦手でした?」
「いや、好きだぞ。こんなに旨いカレーなら毎日でも食べたいくらいだ」
佐野は困ったような笑みを浮かべた。しまった、今のはセクハラだったか?
「悪い。えっと……そういや宮野、お前勉強はいいのか?もうすぐ受験本番だろ?」
「AO入試だったので翔くんと美和さんの大学に内定いただいてますよ。言いませんでしたっけ?」
そうだった。外国語堪能で優秀な宮野は、早々に進学先が決まったと教えてくれたじゃないか。
「聞いてた。そうだったな。じゃあ3人とも同じ大学か」
「椎名先生も卒業された大学なんですよね?」
「そう。つっても実験三昧で忙しかった記憶しかないが」
俺が眉根を寄せると、クスクス笑いながら佐野が紅茶を入れ始める。
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