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そんなこと思ってない、思わずそういいかけた。しかし、その言葉はいつも通りの馬鹿デカい声で遮られてしまった。
「で、上とも話したんだけど」
「はぁ」
「無かったことになったよ」
「……え? なにがですか」
「あいつが会社に訴えてた、労働環境の改善策だよ。辞めるって言ってるからこの件はもうお終いってことで」
「……何でです?」
「安田と話し合うのは正直言って、もう怠いっていうのが上の意見なんだよ。あいつ、変に理屈っぽいし……えっと、つまりだな」
あいつの存在は、もう無かったことにしようって結論になったから、よろしくな!
ゲラゲラ笑いながら、課長は俺の肩をポンッと叩いた。
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