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一万円のマッチ棒
満月の月明かりが眩しいくらいの今夜もいろは女将と大村課長。カウンターを背に和服の尻を大きく突き出し女将がかがんで何かしておりますとやはりそこは大村課長も男ですからその豊満な熟女の尻にお猪口の手も止め凝視しております。パッと女将は向き直り言いましたな
「大村さん今、アタシのお尻見てたわよね、絶対」
右手にお銚子左にお猪口の大村課長首をもげるほどぶんぶんと横に振りましたけれども
「まさか、そんな失礼なことを⋯でも和服の下はあれかい?ノーパンかい?」
酔いも手伝いニヤニヤと助平心が顔を覗かせましたらば、女将は待ってましたとばかりにそっとマッチ箱をカウンターに置き言いましたよ
「一本一万円」
「え?これ?ただのマッチじゃねえか、一万円?」
女将は割烹着を脱ぎながら突然店の灯を落としました。窓からは月の明かりが入り仄暗い店。女将はカウンターの上に立ち月明かりに照らされた薄笑いの顔で着物の裾に手をかけおっしゃりましよ
「見たくない?この中、一本一万円のマッチでどうぞ」
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