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背中に鳥肌がたった。
弘中さんがこの世にいないことを知らない夫は冗談みたいに笑っているけれど、私には全く笑えなかった。
まさか、弘中さんたら、雪に生まれ変わらないで氷に生まれ変わったのかしら。
もしかして、その先輩と両思いだったってこと?!
切なさに胸が詰まる。
弘中さん、その先輩に思い出してもらって嬉しくて溶けてしまったのかもしれない。
うーん、恥ずかしがりの弘中さんならあり得る。
少し形が違うけど、願いが叶ったの……かな。
「お母さん、ケーキ、まだ?!」
しびれを切らした萌歌が催促の声をあげる。
「あ、はい、ごめんね。今、持って行くわ」
「萌歌、運ぶの手伝ってくれ」
「はぁーい」
END
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